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ぼそり3◎第19回(平成16年5月15日)
『味わえるマンガ』
たいていの夢は、かろうじて自分にとっては整合性があると感じられる、ギリギリの線で展開します。一続きの長篇の場合もあれば、前後の関連がない短編(断片)の集積であるということもあり、これを一続きと錯覚して「ヘンテコ中のヘンテコな夢」を見た気になったりもします。また、目が覚めたときに覚えている部分が大変に少ないために断片化が加速して、実際以上にシュールな印象を受けたりもします。さしずめ4コマ漫画を、中間2コマを抜いた上で順番をひっくり返した状態で読んだような感じでしょうか。
さて。
僕は先日、漫画を食べる夢を見ました。ここでなんとなく納得された方は、要注意です。漫画は通常、食べられません。物理的に口に入れ、噛み、飲み込むことは気持ち一つで可能ではありますが、それは自転車を食べるのと同列の行為で、自転車は漫画と同じく食べ物ではないからです。
そこで僕の就寝中の脳は、この『漫画』を『食べる』ために一つの解決策を見い出しました。それは、漫画を食用の着色料によって特製のライスペーパー上に印刷するというものでした。依然として、そこまでして漫画を食べねばならない動機は不明ですが、さしあたっての問題点は回避しています。一応、その点でのつじつまは合っています。
この『食べられる漫画』、夢の中ではコンビニ会社と食品会社の共同開発の新商品という設定です。一作品の一話分で1パッケージになっています。しかも、週刊連載です。幾つか種類があり、いずれも売れっ子作家の新作です。本来は小さい子向けのもののようで、可愛いキャラクターたちが登場します。それだけに大人にしてみると食べるのに気が引けもします。一息に食べてあげないと、むごい絵面になるからです。
連載なので、毎週買わないと(そして食べないと)いかんのじゃないかという気もしてきますが、食欲もからみますので読みたくなければ(あるいは食べたくなければ)買わなくてもかまわないようです。ただし一回でも読まないと、もう続きは分かりません。おそらく、友達も貸してはくれません。長期連載を読む(食べる)には、万全の体調管理が欠かせません。
食べ物としてはどうかというと、ライスペーパー自体には味があまりないので、セットで入っているレトルトのカレーにつけて食べるようになってます。僕の食べたものは、ドライカレーのような、なんというのでしょう、キーマカレー? とにかく本場っぽいものですが、他にも種類があるようです。ハヤシもあったかもしれません。ただし、一つの作品は一つの味と決まっています。これも厳しい点です。
概してカレーをナンにつけて食べるのに似た商品で、多分そこが発想の元でしょう。つまり、僕の脳の発想の元です。ちなみにカレーの味は、いずれも甘口のようです。子供向けですから、このあたりはケチをつけてはいけないようです。味はともかく、子供向けのわりに量(ページ数)があるので、それはどうなのかなーと思います。
この漫画、楽しむ上で案外と注意点が多い商品です。一つには、不用意にカレーをつけてしまうと該当部分のコマは隠れてしまうので、読んでからカレーをつけないといけません。あと、ページ順を間違えて食べると話が分からなくなります。一応ノンブルはついてますが、製本されているわけではないので順序が分かりにくいです。もっとも子供の年齢によっては、絵を見るのが楽しければ筋は度外視するものなのかもしれません。まあ、でもストーリーも味わえる方が楽しいですから、その点はお母さんがよくよく目を配り、読み聞かせつつ食べさせるのがよろしいでしょう。僕は、なんとなく初めに手にとったページから、その内容を読まずになんとなく口に運んでしまい「しまった!」と思ったものです。一応壮年に達していますが、それでも時折こういうウッカリをします。そして、いい年の息子のために母親が目配りするということも、まずありません。ですので、自分で確認するわけですが、幸いかじったのは最初のページでした。以後、一応読みながら食べましたが、どんな漫画かは覚えていません。小さい子が読みそうな漫画、という印象どまりです。アニメっぽい絵だな、とも思いました。データ入稿だろうか、とも思いました。あと、多少印刷の精度が悪かったような気もします。コピーの、そのまたコピーような、そんな感じでした。加えて、もうすこし旨そうな色のインクにして欲しいな、とも思いました。何色だったか忘れましたが。
夢の途中で目が覚めました。多分あんまり売れないだろうな、と思いました。【K】
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