|
ぼそり3◎第24回(平成17年1月25日)
『最初の夢』
今年に入ってはじめての、内容をよく覚えている夢の話をします。
僕は、足下に雲海が見えるほど高い山の頂きに立っています。霧が出ていて、空を遠く先まで見ることはできません。
山頂は、ゴツゴツとした起伏があって、サッカーができるくらいの広さがあります。
青みがかったグレーの岩や土ばかりで、植物は生えていません。
山頂の一端に、僕が中にすっぽり入れるほどの大きさの巨大な卵の殻が幾つもあって、巨大生物の巣にいるのではないかとの強い疑念が頭をよぎります。
僕以外にも山頂に様々な年齢の男女が10人余います。まだ5歳にもなってなさそうな女の子もいて、赤い服を着ています。母親らしい女性がそばについていて、心配そうな面持ちです。皆、手荷物をひとつかふたつもっています。だいたいが手提げのバッグです。
僕には、相棒が1人います。同じくらいの年齢のダークスーツの男性。黒髪、長身。硬い表情の人ばかりの中で、1人リラックス&スマイル。卵の殻の中を覗いたりしています。
やがて、霧の向こうから翼を持った黒いシルエットが現れます。音もなく飛び、近付くにつれてとても大きなものだと分かります。卵の親かもしれないと思いましたが、やがて見えてきたシルエットの正体は双発のプロペラ機です。その真っ黒な、C130の子供みたいな感じの飛行機は、山頂そばの滑走路に着陸します。扉が開き、高圧的な男たちが2、3人降りてきて、僕らに搭乗するよう指示します。
飛行機の中は、電車くらいの横幅で前後の奥行きは10メートルはないくらいの長さ、真ん中に人ひとりが通れる程度の通路があり、両側に二人分の座席が縦一列に5つ並んでいます。僕は、もっとも後ろの座席に相棒と並んで座ります。僕らだけ、補助席を割り当てられます。シートベルトもない席についてほどなく、飛行機は飛び立ちます。男たちが見張っており、皆はまっすぐ前を見て、会話もなく、ただプロペラの音だけが聞こえるます。研究所に連行する、というようなことを男の1人が言います。母親に抱かれた子供が、赤い飛行機のおもちゃで遊んでいるのが目にとまります。
僕と相棒は、実は潜入捜査員です。相棒は、手荷物の中から黒い、手のひらサイズの板状のものを取り出します。秘密の通信機です。相棒は、とくに声も潜めずに通信機で通信を始めます。通信機は秘密のアイテムということになっているので、どれだけおおっぴらに通信しても、ついでのバカ話で大笑いしてもバレないことになっています。男たちはこっちを見ていますが、通信していることには気づきません。でも、すっごくこっちを見ています。僕は、あーこっち見てるわーと思います。相棒は、友達とでも話しているような口調で通信します。相棒がヒマつぶしを見つけたことで、僕はますますヒマになります。なんか退屈しのぎになるものはないかと、僕は自分の手荷物の中を探ります。歌舞伎揚げがひと袋入っています。通路向こうの若い女性二人に、歌舞伎揚げを食べるかと聞きます。男たちを気にしつつ、二人は歌舞伎揚げを一つづつ受け取って、こそこそとボリボリ食べはじめます。歌舞伎揚げは秘密のアイテムではないのでバレないように努力する必要があります。子供にも一つあげます。子供はそういう努力をしませんが、別段の問題はありません。男たちは、子供は勘定に入ってないような振るまいをします。
相棒の通信の内容のうち、第3のビール、という単語が耳にとまります。第3のビールはエンドウ豆を材料にしているので、ビールに近い見た目と味だが酒税法上では「その他」とかなんとかに分類され、それで値段も安いとかなんとか、という内容です。へーっと思って、さっきの通路向こうの女性二人にも伝えます。一寸感心の声、そしておかわりの歌舞伎揚げを要求され、一つづつ渡します。
男たちは同じ場所に立っていますが、何も言わず、こっちも見なくなります。すでに自分たちの任務に飽きているように見えます。男たちの立っているそばに入り口があり、その向こうに操縦席、そしてキャノピー、その向こうに空が見えます。上に雲、下にも雲、そのあいだの空間を飛んでいます。
相棒の通信はなお続き、高度な暗号なのか初めから重要な話じゃないのか、ひたすら友人と交わすバカ話のような内容をおしゃべりしています。僕はヒマをつぶす手段が他にないので、もう一個歌舞伎揚げを食べ、通路の向こうの女性二人はなお第3のビールの話でこそこそと盛り上がり、子供はこっちをじっと見ていて視線が合います。
子供がニヤッと笑います。
というような内容で、このあとすぐ起床したんですけど、こっから先にエスカレートするドタバタな展開がありそうな感じがして、それ見たかったなーと少々イイとこ見そびれた気になりました。【K】
|
|